レーシックのメリットだけに注目するのではなくしっかりデメリットの部分、合併症についても確認していきましょう。
夜、街灯の光などを見ていると、光がにじんで眩しく感じられるようになることがあります。これをグレアといいます。また、光が光源のまわりに放射状ににじむ症状をスターバースト、街灯などを見ているときに周囲に光の輪がかかっているように見える状態をハロといいます。軽い近視の矯正も含めて、手術の直後には約半数の方がこれらの症状を訴えています。ほとんどの方は時間の経過とともに症状は軽くなり、3ヶ月~半年後にはほとんど気にならなくなります。しかし、中にはある程度症状が残る方もいます。特に手術直後は車のヘッドライトなども眩しく感じるようになり、夜間の運転に支障をきたすこともあります。夜間の運転を仕事とされている方は、手術を受ける前に医師によく相談することをお勧めします。
術後に戻した角膜フラップの下に、角膜の表面の細胞(角膜上皮細胞)が入り込んでしまうものです。角膜上皮はもともと体の一部なので、それ自体が有害というわけではありません。しかし、角膜上皮細胞は自力で細胞分裂をして増殖していく力を持っていますので、フラップの下で増殖して細胞の塊を作ります。これによって、せっかく滑らかに削った部分に濁りが生じたり、凹凸ができて乱視が出たりすることがあります。軽度であれば特に問題はないのですが、視力に影響を及ぼすようであれば、フラップを再剥離して、入り込んだ角膜上皮を取り除くという処置が必要になります。
フラップを戻した後、微妙なズレやしわができ、これが原因で不規則な乱視が起こる場合があります。これを不正乱視といいます。これも実質内上皮増殖と同様に、軽度であれば特に問題はありませんが、視力に影響を及ぼすようであればフラップを再剥離してしわを伸ばすという処置が必要になります。
術後、多くは比較的早い段階(1週間以内)で、フラップの下(眉間)に炎症を起こすことがあります。早期に点眼等の治療を施せば、ほとんどの場合、問題なく回復します。しかし、重症の場合はフラップを再剥離して、洗浄するなどの処置が必要になることがあります。
マイクロケラトームでフラップを作成するときに、おきる可能性のある合併症には様々なものがあります。具体的には、不完全フラップ(フラップが部分的にしかできない)、シンフラップ(thin flap)、不規則フラップ、ボタンホール(フラップが極端に薄くなってフラップ中央に穴ができたり、不規則な形になる場合)、フラップ作成不能(マイクロケラトームの固定に必要な十分な眼圧上昇が得られない)などがあげられます。これらの頻度はいずれも1%未満ですが、重症の場合は、手術前よりも視力が低下する場合があります。
フラップを作るために切開した角膜の傷口から細菌やカビ、ウイルスなどが入り込んでしまうことがあります。もちろん手術前後に感染予防対策をしますが、それでも感染症の危険はゼロではありません。重症の場合には、治療後角膜に濁りを残すことがあります。また、場合によっては角膜移植が必要になることもあります。
角膜を削った部分が変形を起こし、前方に飛び出してくる症状です。頻度不明となっているのは、手術直後に起こる合併症ではなく、正確なデータがないためです。手術直後の経過が良好でも、長期的に起こる可能性は否定できませんが、比較的まれな症状です。
医原性ケラテクタジアを起こすと、徐々に角膜の屈折力が変化して、治療する前よりもさらに近視が強くなってしまったり、強度の乱視になることがあります。眼鏡やコンタクトレンズを装用しても矯正できない重症例では、角膜移植が必要になることもあります。この合併症は、主に円錐角膜やその疑いがある眼、あるいは術前から角膜の薄い眼に対して手術をおこなった場合、また、角膜を削りすぎてしまった場合に起こると考えられています。予防対策として、術前の角膜形状解析などのより慎重に対応を決め、術後にある一定量の角膜の厚さが残るようにすれば、その頻度は低いと考えられています。
全体的に見えている映像の質がやや低下して見えるようになることがあります。具体的には、微妙な濃淡の違いの区別がつきにくくなるなどです。もちろん、日常生活で自覚できるほどはっきりと低下することはほとんどなく、生活には支障ないのですが、病院で詳しい検査をすると症状が判別できる場合があります。非常に強い近視をレーシックで矯正した場合に起こる可能性があります。
多くの場合、日常生活に影響するほどではありませんが、夜間や暗所で昼間にくらべて少し見づらくなることがあります。夜間の車の運転や、映画館で後ろの席に座って字幕を読みたい場合などに支障が出る可能性があります。ただし、これは見えにくいときのみ眼鏡をかけることで解決できます。